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アメリカでは中古住宅が人気

アメリカでは、中古住宅に価値を見出す人が多く、建物が古くなっても資産価値が極端に下がることはありません。逆に価値が上がっていくことも多いのです。

 

日本とは全く逆なのです!!

 

住宅を取り壊すまでの平均期間は、日本では約30年、アメリカは約55年となっています。日本の家は、耐久年数は短いのに土地と建築費が高いので、長いローンをやっと返し終えたと思ったら、もう取り壊しの時期がきてしまいます。

 

アメリカでは、新築住宅より中古住宅の方が、流通量も圧倒的に多くなっています。全住宅流通量に占める中古住宅の割合は、90.3%。それに対して日本は、13.5%。中古住宅に対する意識の差がはっきり表れています。(出典:「平成24年土地白書全住宅流通量に占める中古住宅流通戸数の国際比較」国土交通省)

 

他の先進各国の既存住宅流通シェアを見ても、フランス66.4%イギリス88.8%という結果が出ています。同じ先進国の中でも、日本だけ中古住宅事情は大きく異なっており、「中古住宅後進国」と言われても仕方ない状況にあると言えます。

なぜ日本だけ新築住宅が人気!?

日本では中古住宅のシェアが低く、そして異常と言ってもいいほど新築住宅に人気が集まる理由として、「住宅に対する意識の差」と「かつての住宅の質の低さ」、そして「中古不動産市場の未成熟さ」などが挙げられるでしょう。

 

住宅への意識の違いは中古住宅の査定にも強く影響しており、例えば日本では築年数が経てば価値は下がるのに対して、アメリカでは築年数にあまり重きを置いていません。特にイギリスでは築年数が古いものほど価値が高くなる、といった日本とは全く逆の現象が起こっています。

 

これまで膨大な新築需要があった日本の不動産業界では、「25年で上モノの価値はゼロになる」という不動産業界のかつての常識が示すように、資産価値としては重きが置かれず、「古い物件は更地にした方が売れる」という結果を生み出しました。

 

このため中古住宅の流通量は低調なものになり、査定の方法論や取引制度の発達が遅れるなど、市場としては未成熟なまま現在に至ってしまいました。

今後、日本も中古住宅がメインになっていく

これまで活発な取引が行われていなかった中古住宅市場ですが、ここ最近では大きく状況は変化して、「中古住宅ブーム」と言えるような活況ぶりを呈しています。

 

このように大きな変化を遂げた理由は、中古住宅市場を取り巻いていた問題の多くが解決されたことはもちろん、政策面での後押しや経済・社会状況の変化なども大きく影響しています。

 

2009年には、長期優良住宅の普及を目指した「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」が施行。長期優良住宅取得時の税金優遇・住宅ローン控除が用意されるなど、この流れを後押ししています。

 

2006年に制定された「住生活基本法」では、住宅政策の中心を新築住宅から中古住宅へと変更した戦後以来の画期的な方針転換であり、中古住宅の流通率・耐久年数の向上などが目標に盛り込まれています。住生活基本法以降、中古住宅市場を活性化するための法整備が進みつつあります。

 

2012年3月には、国土交通省が「中古住宅・リフォームトータルプラン」を策定。2020年までに中古住宅流通・リフォーム市場の規模を現状の倍にあたる20兆円に拡大させるべく、様々なプランを打ち出しました。その中には中古住宅取得やリフォームに際しての税制優遇措置や、中古住宅購入費とリフォーム工事費を合わせて融資するローンの普及なども含まれていて、これらは実現性が高いとみられています。

 

2014年度には、リフォームした中古住宅を「長期優良住宅」に認定する制度も新設。長期優良住宅に認定されると、住宅ローン減税の拡充や固定資産税の軽減期間延長など、様々な税制優遇が受けられるようになります。

 

今後の展開として、EU諸国では既存住宅の取得には消費税が発生しないというのが一般的です。日本でも中古住宅取得やリフォームの際には非課税にする、といった議論が起こりそうです。

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